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2013年11月30日 (土)

『TVディレクターの演出術』感想

TVディレクターの演出術
高橋弘樹著 ちくま新書2013/11刊

TV東京のディレクターが書いた本。あのタレントとの交友録が・・・
というのは全く書かれていません。このディレクターはおもに
世界ナゼそこに?日本人』とか『空から日本を見てみよう』などの
タレントが画面に出てこない「手作り番組」を作っている人。
帯には『空から日本を見てみよう』の「くもじい」のイラストが
描かれています。この番組はBSに移動しましたが、空撮映像を
見ながら「くもじい」「くもみ」に声をあてた伊武雅刀柳原可奈子
「あの渦巻のようなものは何じゃ?」とか言って、地上に近づくと、
こんな面白い建物があって、こんなイベントをやっていた・・・的な
内容です。(画面に伊武さんたちは出て来ません)
見ていたときは(正確には裏にろくな番組がないのでついていた)
適当な番組だな~と思っていたのですが、この本を読むとその裏には
大量のネットリサーチ、現地の調査、インタビューがあり
1時間の中に、ディレクターの大量の「足を使った仕事」があるのが
わかります。
『世界ナゼそこに?日本人』なんかでは、もうカメラを回しっぱなし
だそうです。何が起きるかわからない。急に誰かが訪ねて来て
取材相手の日本人とこんな会話があって、それが彼の人柄を的確に
表す内容だったら、それを取り損ねることになる・・・とか考えると
まわしっぱなしになるそうです。

何でこんな本を読んでいるかというと、私も仕事でビデオを回す
ことがあり(最近オファーがなくなりましたが)主に社内向けの
マニュアルビデオを作っていました。台本から撮影、スタジオで
音入れ、編集もします。
1本だけノンフィクションっぽいものを撮ったこともあります。
それはある女性社員の1日を追ったもの。どうして女性社員かと
いうと、わたくし基本的に男は撮らない(笑)
ある程度の想定したテーマみたいなものがありましたが、ほとんど
ぶっつけ本番でしたので結構カメラ回しっぱなしでした。
それでも大事な瞬間を撮り逃しました。そのときは「あ~ごめん、
そのセリフいいね、もう1回言って」なんて。実際のTVでは
「やらせ」になるしセリフっぽくなるので、それもNGでしょうね。

テレ東・・・案外好き。視聴率ではそんなでもないけど週刊文春の
「好きなTV局ランキング」ではNHKについで2位という好感度の
高いTV局。お金を使わず、それでいて面白いオリジナリティーのある
番組作りをしているからでしょう。テレ東の「モヤモヤさまぁ~ず
なんか、タレントが1日がかりで歩いて、そこで出会った変な店や
変でなくても、そこに変なモヤモヤを発見して笑いにつなげる
だけの番組。スタジオ部分がない。
それに比べてTBSの「ぴったんこカン・カン」なんかはどうだ!
95%がVTRなのに、スタジオにたった1問のクイズを答えるために
セットを組んで客を集めて、タレントを何人も並べている。
いらんだろ、そのスタジオ!その金をフィリピンの災害支援に
まわしてやれよ!(勝手ないいぐさ)
いつからTVはVTRをスタジオで眺める体裁に変わったのだろう。
よくできたVもあるけど、料理人がお皿に盛って出してくれた料理と
パックに入ってチンされて出てきたジャンクフードのような違いを
感じます。字幕もおそらく大半の視聴者が疎ましいと思っている
はずだろうけど過剰な状態で安定してしまったし。面白いポイントを
字幕で出すとか、素人のインタビューに字幕を入れるなら分かるけど
アナウンサーが1語1句ハッキリ理路整然と喋っているV振りにまで
字幕がついているのは、そのアナウンサーの司会者に失礼な気が
するなあ。

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