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2014年4月29日 (火)

『ホームズ全集』①③今読んでも面白い!

シャーロック・ホームズ全集』①③巻
アーサー・コナン・ドイル著 河出文庫2014/03刊
おすすめ度:★★★★★

1巻『緋色の習作』3巻は『シャーロック・ホームズの冒険』。
全集の文庫化です。もちろん新潮文庫などでも読めるのですが
これは全集版だけあって、後半1/3は注や解説、年譜などに
充てられており充実の内容です。また単行本初版のイラストも
載せられており、絵や注を見ながら読むのも楽しいです。
イラストは3巻のシドニー・パジェット氏のものがすばらしく、
ドイル自身も気に入っていたそうです。まさに我々がイメージする
ホームズ像で、ドイルもこのイラストに逆に寄せて書こうとした、
と前書きにあります。
0429

それに比べて1巻のイラストのホームズは超然とした
雰囲気がなく、なんか普通のおじさんなのです。
イラストレーター氏、本をちゃんと読んで描いたのか?
イラストレーター氏も描いた当時は、ホームズが推理小説の
代名詞的な存在になるとまでは思っていなかったかもね。

『~の冒険』のほうは、誰でも知っている『まだらの紐』や
赤毛組合』そして三谷版人形劇でも取り上げられた傑作
ボヘミアの醜聞』などを収録。どの話も楽しめます。

ホームズもの第1作にして長編『緋色の習作』は初めて読んだ
のですが、中盤で突如時代も場所も違う話が展開される構成も
なかなか刺激的で「こんな古典ミステリは今読むと、ぬるい
のではないか」と侮っていたのですが、いやとても面白かった!
緋色の「習作」と聞いておやっと思われるでしょうが、今まで
緋色の研究』でお馴染みのタイトル「ア・スタディ・イン・
スカーレット」の「スタディ」は、研究という意味のほかに
絵を描くときの「習作」という意味があるそうで、こちらが正しい
訳のようです。確かに本文の文脈からも「習作」のほうが意味が
通ります。でも何だかなあ。「緋色の研究」のほうが、どちらかと
言えばホームズっぽいんですけどね。といいますか、読後も
「緋色の習作」というタイトルがピンと来ません。なんか格好いい
タイトルとしてドイルが付けてみただけで、本文にはあまり関係
ないような気がします。

「タイトルがすでに誤訳」として一番有名なのは「ノルウェイの森
ビートルズの曲のほうね)でしょうか。WoodをWoodsと
読んで「森」と訳したところ、本来は「ノルウェイ産木材(の家具)」
みたいな意味らしいですね。ロマンチックな感じのサウンドながら
歌詞の内容は、ナンパした女の子の家に転がり込んだ、みたいな
ちょっと退廃的な感じですが、「~の森」のほうがしっくりくるので
「森」でいいんじゃないすかね。どうせ英語なんてわかんないし!

↓君の右手の人差し指の指紋が少しほかより薄くなっているだろう。
 それでピンと来たのさ。これはランキングボタンを毎回押す
 癖があるってことにね。


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