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2014年5月31日 (土)

『空也上人がいた』まるでドラマを見ているよう

空也上人がいた
山田太一著 朝日文庫2014/04刊 おすすめ度:★★★★★

登場人物はほぼ3人。一人は若い介護施設の職員。施設内の
事故がもとでそこを辞めてしまうのだが、46歳の女性(独身)の
ケアマネージャーが、個人宅の介護の仕事を紹介してくれる。
その独り住まいの老人が3番目の登場人物で、ちょっと変わり者。
介護に来てくれた人を辞めさせてしまう経歴の持ち主だったが
この若者を気に入る・・・のだが、妙に厚遇過ぎたりとおかしな
具合なのだ。そしてこの女性ケアマネのことが女性として
好きらしい。しかしケアマネはこの若者に惹かれていて・・・。

最近の山田センセイの本は、ご自身の老いもあってか、老人問題、
というか老人を主人公とし、若者との関わりなどを描いたものが
多いような気がします。
本作は小説ながら会話文が多いし、地の文で登場人部の境遇を
こと細かに説明したり状況描写をしたり、というのが極めて少ない。
そのぶん、山田ドラマを見ているような気にさせます。
老人には何となく山崎務を当てはめてしまったし、女性ケアマネは
う~ん藤田朋子あたりかな。庶民的な雰囲気で、齢もそれくらいで、
美人過ぎないサバサバ感とかで。若い男は、福士蒼汰とか?
介護だけにフクシ・・・なんて。
『空也上人がいた』という題で抹香くさい話かと思われそうですが
そんなことでもなく、結構後半はぶっ飛んだことを山崎務、違った、
この老人が言いだすし、この突拍子の無さも、山田脚本の持ち味かと
思います。短くて2~3時間で読めてしまいますし、お勧めです。
0531

2009年の1月に山田太一関係で書いた記事で、バカバカしいのが
あるので、再録しておきます。山田太一が『マトリックス』のような
SFアクションを書いたら・・・というものです。

あらすじ:機械に支配された世界「マトリックス」に暗躍する
テロリストのモーフィアス。彼が人類の復権をもたらす救世主と信じる
青年(アンダーソン、ハッカーとしての名前はネオ)に、仲間の
トリニティを通じて接触を図る。しかしエージェント・スミスの
魔の手がネオに伸びて来ていた。

『マトリックス』脚本:山田太一

トリニティ「モーフィアスはね、信じてるの」
ネオ「信じてるって何を?」 
トリニティ「あなたが救世主じゃないかって」
ネオ「そんなね、急にそんなこと言われてもね。
 勘違いかもしれないし」 
トリニティ「勘違いでもいいじゃない。実際救世主だってことも」
ネオ「おれなんかたいした学校も出てないし。親父の後継いで、
 小さな工場、自営でなんとかやってて」 
トリニティ「それだって、すごいことよ」
ネオ「すごかないよ。ちっともすごかない。銀行にぺこぺこ頭下げて、
 それで資金繰りだってね、やっと何とか」 
トリニティ「・・・あ、エージェントだわ!」
エージェント・スミス「おい、アンダーソン君とやら。あんたほんとに
 おれをガッカリさせるなよ。こっちはあんたのためを思って
 やってるってのに。モーフィアスを・・・早くこっちへ引き渡せ」
ネオ「そういうの、もう嫌なんだ」
スミス「なにが嫌だ。若いものはすぐにそう嫌だとか何だとか。
 いいかい、世間(マトリックス)ってのはねえ、そういう自分勝手が
 通る所じゃないんだよ。
 そうやってフラフラしてりゃいいってもんじゃないの」
ネオ「別にフラフラとか」
スミス「してるさ、そういうのをフラフラしてるっていうんだ」
トリニティ「あの、聞いていると、そちらもちょっと言いすぎじゃ」
スミス「お嬢さんね、あんたには関係ないの。この人ね、救世主とか
 なんとかチヤホヤされて、浮かれてるんだ。
 もっとね、現実見ないと。さあ、ほら、アンダーソン君」
ネオ「おれは・・・アンダーソンじゃなくて・・・ネオだ!」
スミス「言うかねえ」
(完) 

*****

今日は5月末日にして、30度を超え、暑かったですね。
昼間から中華屋に行って、生ビール3杯飲みました。
昼酒、いいですね。平日の昼間だったらもっといい。
ダメな大人になった気分が最高。
いやもう、既になっているのかもしれないが。

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まだ会ったばかりで、普通そんなふうに言うかな?


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