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2014年10月

2014年10月29日 (水)

『水底の棘』虫が事件の謎を教える

水底の棘
川瀬七緒著 講談社2014/07刊 おすすめ度:★★★★☆

法医昆虫学捜査官シリーズの3作目。
第一発見者は、法医昆虫学者で、このシリーズの主人公・赤堀涼子。
東京湾の荒川河口で彼女が見つけた遺体は、虫や動物による損傷が
激しく、身元特定は困難を極めた。
絞殺後に川に捨てられたものと、解剖医と鑑識は推定。が、赤堀は
まったく別の見解を打ち出した。岩楯警部補はじめ、捜査本部は
被害者の所持品から、赤堀はウジと微物から、それぞれの捜査が
開始された!(Webよりコピペ)

このシリーズは初読ですが、特に前作を読んでいなくても読めました。
登場人物は赤堀先生(かなりの変人)と、堅物な感じの岩楯刑事、
その相棒でメモ魔の鰐川刑事。本作の出だしでは赤堀先生の変人ぶりが
描写されており、ユーモアミステリなのかと思いながら読み進めた
ところ、死体を侵蝕する虫については科学的に、そして刑事たちは
地道な聞き込み捜査を進めていくので、むしろリアリティたっぷりの
作品だと分かりました。

赤堀先生は死体を食うウジをはじめとする虫(昆虫だけではない)の
生態などから事件にアプローチする学者。たとえば死体についていた
その虫が孵化する日数とか温度などから、死体がおかれていた状況や
死因を推定する、といった具合です。
作品に登場するXXXXXという虫がどんなものだろうと検索したら
画像が出て「うっ」となりました。見るんじゃなかった・・・。
1029

*****

先週の日曜の昼間、「NHK新人お笑い大賞」という番組を見ており
ました。8組の漫才またはコントの新人が戦い、審査員数名が審査
するというもの。優勝はアイロンヘッドというコント2人組でした。
私としてはピンとここなくて、ふ~んという感じでしたが。
先日のキング・オブ・コントに出ていたチョコレート・プラネット
巨匠も同じネタをやっていましたね。ポテトチップの袋を開ける
業者が来るネタと、競馬新聞でパチンコ玉を包んでおっさんを作る
というシュールなネタ。まあ、2回見るとアレですが面白かったです。
YES-MANというコンビの駅員コントも結構面白かったなあ。
売れないシンガーが電車で忘れた自作の歌詞を書いたノートを
忘れ物センターに取りに来る、というネタ。
しかし!やはり一番面白かったのは、すなわち私の中での優勝は、
審査委員長のきよし師匠です。誉めているのか、けなしているのか
ポイント不明な、さっぱり分からないコメントに司会のフットボールの
2人が突っ込み、きよし師匠が口を開くたびに笑ってしまいました。
さすがにきよし師匠の域に達すると、計算されたボケなのか天然なのか
一生懸命言っているのか、適当に言っているのか、すれすれのラインを
突いてくるので、スゴいです。普通、お笑いでも名人とか大御所とか
言われると、現代のセンスからズレていて、面白くなくなるもの。
きよし師匠は、山の頂上を越えて成層圏にいる感じです。
子連れ狼』のエピソードで、催眠ガスのようなものを嗅がされた
拝一刀が、座ったまま眠ってしまうのですが、そこに斬りかかってくる
侍を眠ったまま居合抜きのように斬ってしまう、という話がありました。
達人の域に達した者は、頭が眠っていても体が殺気に反応して、刀を
無意識に繰り出すということらしいです。
きよし師匠もその域にいると感じました。あの番組をビデオ化して
発売するときは、きよし師匠のコメント部分を集めて4分にして
収録したらいかがでしょうか。

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2014年10月19日 (日)

『オービタル・クラウド』超大作にして傑作

オービタル・クラウド
藤井太洋著 早川書房2014/02刊 おすすめ度:★★★★★

宇宙デブリの予報サイトを運営する木村は、不審な動きをする
デブリを発見する。それは世界を震撼させるスペース・テロの
幕開けだった…。圧倒的な臨場感で提示する、近未来の宇宙開発と
ネット技術のビジョン!
電子書籍のベストセラー作家、渾身のテクノスリラー巨篇!
(ネットからコピペ) 

1019

Gene Mapper』で電子書籍版から書籍版へと逆輸入で
話題になった著者の第2弾は、前作がまぐれ当たりではなかったと
確信させる超大作です。ハリウッド映画並みのスケールと、元ソフト
エンジニアの著者だから書ける技術的なゴニョゴニョしたあれこれが
迫真のリアリティで、まるで見てきたように描かれます。

出たときに読もうと思いつつも、そのへんのテクノ部分やSF的な
カタカナが苦手で手が出なかったのですが、読みだしたら止まらない
大傑作でした。今年の収穫の1作に間違いないですね。

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2014年10月11日 (土)

『ギフテッド』新人類現る

ギフテッド
山田宗樹著 幻冬舎2014/08刊 おすすめ度:★★★★☆

ギフテッドと呼ばれる子供たちがいた。彼らは先天的に新たな
臓器を持ち、そのせいで未知の能力を秘めていると考えられていた。
ギフテッドゆえに、優遇されたり、阻害されたりと、一般人から
特殊な目で見られていた彼らは、とうとう事件を起こしてしまう。
それを機にギフテッド対非ギフテッドの様相を示し始めるが・・・。

百年法』『嫌われ松子の一生』などの山田宗樹作品は、読むのは
本作が初めて。フラットな文が読みやすい。
簡単に言えば、ニュータイプと旧人類の確執、というような話です。
ギフテッドと一般人の共生を図ろうとする者、相容れないものとして
戦おうとする者、扇動される大衆・・・という、新たな進化をとげた
人類が現れたら世の中こうなる、という政治的な考察も交えた作品。
決してマンガ的な超能力合戦にはならないところもいいですね。
1010

*****

私はじゃがビー派ではなく、じゃがりこ派である。
イスラム教シーア派でもなければ、はぐれ刑事純情派でもない。
ましてや小料理屋の女将と、微妙にいい感じでもない。
そんな、はぐれ刑事じゃがりこ派である私が、ファミリーマート
おとなのおやつ」という黒いパッケージのコーナーで、
じゃがビーバジルソルト味
というのを見つけた。しかし・・・なぜかその店では値札がついて
いなかった。まあいい、たいてい135円とかだろう。
レジへ持っていくと、私は背後から、サスペンス劇場で、つい激して
殴りつけてしまい殺人事件になる凶器の代表である、ガラス製の灰皿で
後頭部を妻に殴られたような衝撃を受けました。154円もするんかい!
その夜。
私は憤りながら、焼酎「神の河ライト」を飲みつつ、件のじゃがビーを
つまみました・・・・・・う、うまいやんけ!
サクホロっとした食感、バジル味がスナックというより、ちょっとした
イタリア料理の付け合せのポテト料理のようではありませんか。
あなどりがたし!じゃがビー、そしてファミマ。
1011

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2014年10月 6日 (月)

『機巧のイヴ』世界観が美しい

機巧のイヴ
乾緑郎著 新潮社2014/08刊 おすすめ度:★★★★★

江戸時代・・・なのかな?幕府とかあるから。
アンソロジーに収録された第1編の表題作を膨らませて連作にし、
1冊読むと長編となるSF時代もの長編。
その第1話は・・・・・・

江川仁左衛門は「幕府精錬手伝方」を任ずる釘宮久蔵を訪ねる。
自分の愛する遊女「羽鳥」をそっくりにコピーした「機巧」を
作って欲しいという依頼をするためであった。
そしてその理由は・・・・・・。

ここで言う「機巧」とはロボットのこと。江戸時代だからと言って、
お茶を運んでくるからくり人形のようなものを想像しそうですが
さにあらず。人間と見分けが付かないような、孫正義もびっくりの
アイザック・アジモフ的なアンドロイドなわけです。
この機巧が、幕府と帝を巡る政争の中に絡んでくるのですよ。
登場人物も隠密的な立場の人で、彼らが蠢く中を、気高く超越的な
機巧の美女が、時代のトリックスターとして闊歩する様は、なんとも
想像するに美しいのです。この世界観がいいです。
時代劇にアンドロイドって・・・と思わずご一読下さい。
併せて恒川光太郎の『金色機械』もどうぞ。
1006ivu

この本の中で「闘蟋」というものが重要なファクターで出てきます。
初めて目にする単語で、著者の創作かと思いきや、古代より中国に
あるコオロギを盆の中で戦わせる、闘犬とか闘鶏の虫バージョンだ
そうです。今でいえば、テラフォーマーズのような関係ないか)。
Wikipediaを見ると、映画『ラストエンペラー』にもその
シーンがあるらしいです。また、以下のような記述もあります。
「清代の怪奇小説集聊斎志異は、宮廷が各地に優れたコオロギの
捕獲献納を割り当て、応じられない各地の責任者を厳罰に処するなど
闘蟋の流行の裏面を描く。ある村の役人は上司より強いコオロギの
献納を命じられ、網を持って村中を探しまわるが見つけることができず
罰として立てなくなるほどの激しい鞭打ちを受ける。ようやく一匹を
捕まえるが、幼い息子が誤って殺してしまい、責任を感じた息子は
井戸に飛び込み自殺を図るなど、宮廷の闘蟋流行に伴う民衆の悲劇を
描写する」・・・以上、大学生がレポートでやるという、コピペです。
江戸時代に日本でやっていたのかは、記述がありません。

まあ、闘蟋があろうが、アンドロイドが出てこようが、まあ、それも
いいよね、と思いながら読むと、楽しめる1冊です。

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