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2014年10月 6日 (月)

『機巧のイヴ』世界観が美しい

機巧のイヴ
乾緑郎著 新潮社2014/08刊 おすすめ度:★★★★★

江戸時代・・・なのかな?幕府とかあるから。
アンソロジーに収録された第1編の表題作を膨らませて連作にし、
1冊読むと長編となるSF時代もの長編。
その第1話は・・・・・・

江川仁左衛門は「幕府精錬手伝方」を任ずる釘宮久蔵を訪ねる。
自分の愛する遊女「羽鳥」をそっくりにコピーした「機巧」を
作って欲しいという依頼をするためであった。
そしてその理由は・・・・・・。

ここで言う「機巧」とはロボットのこと。江戸時代だからと言って、
お茶を運んでくるからくり人形のようなものを想像しそうですが
さにあらず。人間と見分けが付かないような、孫正義もびっくりの
アイザック・アジモフ的なアンドロイドなわけです。
この機巧が、幕府と帝を巡る政争の中に絡んでくるのですよ。
登場人物も隠密的な立場の人で、彼らが蠢く中を、気高く超越的な
機巧の美女が、時代のトリックスターとして闊歩する様は、なんとも
想像するに美しいのです。この世界観がいいです。
時代劇にアンドロイドって・・・と思わずご一読下さい。
併せて恒川光太郎の『金色機械』もどうぞ。
1006ivu

この本の中で「闘蟋」というものが重要なファクターで出てきます。
初めて目にする単語で、著者の創作かと思いきや、古代より中国に
あるコオロギを盆の中で戦わせる、闘犬とか闘鶏の虫バージョンだ
そうです。今でいえば、テラフォーマーズのような関係ないか)。
Wikipediaを見ると、映画『ラストエンペラー』にもその
シーンがあるらしいです。また、以下のような記述もあります。
「清代の怪奇小説集聊斎志異は、宮廷が各地に優れたコオロギの
捕獲献納を割り当て、応じられない各地の責任者を厳罰に処するなど
闘蟋の流行の裏面を描く。ある村の役人は上司より強いコオロギの
献納を命じられ、網を持って村中を探しまわるが見つけることができず
罰として立てなくなるほどの激しい鞭打ちを受ける。ようやく一匹を
捕まえるが、幼い息子が誤って殺してしまい、責任を感じた息子は
井戸に飛び込み自殺を図るなど、宮廷の闘蟋流行に伴う民衆の悲劇を
描写する」・・・以上、大学生がレポートでやるという、コピペです。
江戸時代に日本でやっていたのかは、記述がありません。

まあ、闘蟋があろうが、アンドロイドが出てこようが、まあ、それも
いいよね、と思いながら読むと、楽しめる1冊です。

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