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2017年6月

2017年6月17日 (土)

『キリンビール高知支店の奇跡』

キリンビール高知支店の奇跡
田村潤著 講談社+α新書 お勧め度:★★★★★

著者は左遷先の高知からキリンの副社長にまで上り詰めた人。
スーパードライのヒットでアサヒにシェア首位を奪われたキリンが
首位を奪回するまでのハナシ。
本社から、当時アサヒが圧倒していた高知に飛ばされ、そこで奮闘。
といっても、あの手この手を繰り出すのではなく、あくまで
理念に基づくビジョンを目標に、基本に忠実な営業活動を強化した結果
現場が達成感をもち、業績が伸びていく、というもの。
つまり、成功の裏技集ではなく、理念、ビジョン、基本をくどいほど
説いた本、ということです。
著者の情熱が伝わってくる、なかなかいい本ですね。
0617

**********

わたしもちょうど、7年いた本社から田舎の営業所に来て奮闘中、
という意味で、似た境遇といえなくもない(会社の規模が月とスッポン
ほど違うけど)。
奮闘中というか、全然違う仕事なので、いまだに分からないことだらけ。
問題はパソコンです。いやPCは決して不得意ではないのですが、
今まで紙でやっていたことが結構、IT化されていて、
「う~わ~、何これ~!IT革命や~!!」という彦麻呂状態なのです。

何かしようとすると、前は紙ベースだったものが、知らないソフトを
触らないといけない。
ソフトを開こうとするといちいちIDをパスワードを聞いてくる。
手帳を開いて、たくさんあるパスワードの一覧から探して入力する。
やり方が分からなくて、マニュアルを見ようとするが、そのマニュアルも
分かりづらい。たくさんあって細分化されていたマニュアルが
「もっとマニュアルを少なくしろ!」という号令で統合され、
いったいどこに何が書いてあるかわからなくなっている。
紙のマニュアルがPCにも入っている、というので、検索するけど
関連のマニュアルのページが全部検索されちゃうので、結局分からない。
ああ、もうやめだ!と癇癪を起こして放っておく。すると本社から
「あの報告がまだ来てないぞ!」と怒られる。

昭和は遠くなりにけり・・・。

時代に取り残された昭和の残党・かめのて氏は、窓際族となって、
PCすらない机の前で、老眼鏡を頭に乗せて、新聞読んですごす日も
近いであろう・・・。

2017年6月14日 (水)

『獏の耳たぶ』

獏の耳たぶ
芦沢央著 幻冬舎2017/04刊 お勧め度:★★★★★

繭子は、産院で知り合った郁絵の赤ちゃんと自分の子を、異常な
精神状態のまま取り替えてしまう。
もとに戻そうと思う間に、それぞれが子供を交換したまま退院の日と
なってしまった。
自ら犯した罪に苦しみながら子育てをする繭子。
4年後、子供の「取り違え」が発覚した後、子供を再度交換するのか、
育ててきたこの子を手離すべきではないのか、悩み続ける郁絵。
その結末は。

第1章は子供を取り替えた繭子の章。
帝王切開で小さく生まれたわが子と、200グラム大きく生まれた
他人の子を取り替えるくだりは、不穏さに満ち満ちていて、ホラーより
どきどきします。やめろ!いかんよあんた!と思いながら読むものの
ついつい交換しちゃいます(笑)。

第2章は郁絵の章で、あることがきっかけで、実はわが子ではないと
知ったところからのハナシになります。
郁絵の一人称での語りなので、犯人とはバレてはいない繭子が、
この段階でどう思っているのかがわかりません。
自分が育てた子を、モノを交換するように取り替えられるはずもないが
4歳という傷の浅いうちに交換を、という薦めもあるし、
実のわが子をそのままにしていいのか、血のつながりは、と苦しみます。

うちは子供がいないので、子供のいる人よりも、その切実さは浅くしか
伝わらないかもしれまぜんが、2人の母親の一人称の語りは、なんとも
生々しく、脇の下にイヤな汗をかきながら読みました。
0611

********

通常は車通勤なのですが、電車で本社に行く機会がありました。
初めて駅まで20分ほど歩き、本社に行きましたが、
帰りは駅から自宅まで夜道です。

方向音痴・・・・・・よくイオンとか行って、立体Pに停めて
もとの自分の車の位置が分からなくなることが多いです。
「D-4、眼鏡屋の横の出口で、D-4・・・」とか強く意識しないと
自分がどこから来たのか忘れます。
一度はでっかいモールの反対側の駐車場に出てしまい、広い平面駐車場を
さまよい歩いたことがありました。だって反対側にも正面と同じくらい
広いPがあるなんて想像しないでしょ!

話は戻って、晩飯がないので途中でコンビニに寄って、何か晩飯になる
ものを買おうとしたのですが、コレといったものがなく、コンビニを出て
・・・そのまま90度違う方へしばらく歩いてしまいました。
途中で「こんなところに警察署が・・・あ、これ違う!」と気づきました。
いかん、戻らねば・・・おや、あの灯りは・・・なんかよさそうな
居酒屋があるじゃないか。入り口のメニュー看板を見ると、魚料理が豊富。
今度ここに来てみようか・・・いや、いかん!帰らねば!
この時間から飲み屋で座りこむわけにはいかん!

そうだ、前に一度行った角の中華屋にしよう。あそこは台湾ラーメンが
安かったぞ・・・閉まっている!なんでやねん!もう家まで食べ物屋はない!
あるのはコンビニだけ・・・結局コンビニでフライドポテトと春巻を購入。
夜遅くに、くたびれた足をさすりながら、侘しいメニューで発泡酒をすする
ハメになりました。

2017年6月 4日 (日)

『冬雷』ブレイク近し!遠田潤子

冬雷
遠田潤子著 東京創元社2017/4刊 お勧め度:★★★★★

孤児だった代助は、子供のいない千田家の跡継ぎとして引き取られた。
しかしその後、千田家に実子が誕生し、立場を失ってしまうが
その義弟が行方不明になり、自身も町を追われてしまう。
12年後、義弟の遺体発見の知らせがもたらされ、町に戻った代助は
失踪事件の真相を探るのだが・・・。

表紙が時代小説みたいで損をしている気がしますが、現代小説です。
ただ冬雷閣と呼ばれる名家と神社を中心に、伝説に由来する祭りが開かれ
町中の人がその因習に囚われている閉鎖的な町を舞台にしているので
金田一先生が出てきそうな雰囲気を醸し出しています。

ミステリとはいえ、メインのストーリーは、
孤児だった代助が、初めて家族を得て、また神社の巫女と恋に落ち、
やがて理不尽な扱いを受けて町を追われるという、波乱の半生と、
因習としがらみにまみれて抜け出せない、町民たちの、
物狂おしいほどの葛藤や、軋轢などにあります。
このドラマチックさが、読者を引きつけます。

ミステリも絶海の孤島で連続殺人・・・というような「新本格」の
ブームを経て、このようなドラマ重視にシフトしている印象です。
芦沢央と、この遠田潤子はワタシ的に要注目作家です。
0604

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引越し先のアパートは高台にあり、結構立派な一戸建てや、高そうな
レストランや寿司屋があったりします。
うちのアパートも、中は悪くはないのですが、風に乗って牛の香りがします。
高級レストランからのステーキが焼ける匂いならいいのですが、
なんというか・・・牛というか、牛から出たものの匂いがします。
車で少し行くと、牛さん達のおうちがあります。
地元の人によると、最近の牛のおうちは近代的で、匂いも出ないように
なっているそうですが、古いところは、オープンでフランクでフレンドリーな
感じになっていて、匂いも直球勝負のようです。

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