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2018年2月

2018年2月24日 (土)

『騙し絵の牙』

騙し絵の牙
塩田武士著 KADOKAWA2017/08刊 お勧め度:★★★★★

主人公は出版大手の薫風社で、カルチャー誌「トリニティ」の
編集長を務める速水輝也。
40代半ばの彼は、同期いわく「天性の人たらし」だ。
周囲の緊張をほぐす笑顔とユーモア、コミュニケーション能力の
持ち主。部下からの信頼も厚いが、苦手な上司・相沢から
廃刊の可能性を突きつけられ、黒字化のための新企画を探る。
芸能人の作家デビュー、大物作家の大型連載、映像化、
企業タイアップ……(以上WEBより転載)

というお仕事小説の顔を持つ本書は、出版業界の現状を
反映させた内容で、その厳しい現状の中を戦い、泳ぐ主人公の
生き様を描いています。
それが何で『騙し絵の牙』というタイトルなのか、というのは
エピローグまで分かりません。
表紙が大泉洋さんなのは、主人公のイメージを当て書きしたもので
そこもちょっとした新しい仕掛けですね。

この本、会話の応酬がすごい楽しいです。
こんなふうに喋れたらいいなあと思いますね。モテそう。
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最近は出版業界も大変で、新潮社の『ルビンの壺が割れた
とかは、全文ネットで公開して読者に宣伝してもらうという
仕掛けで大ヒットしましたね。
私も読みましたが、感想は言いません・・・。

まあ、仕掛けだろうが何だろうが、本は売れて欲しいですね。
アメトーークとかで盛り上げてくれるのは結構なことです。

私は学生の頃から「本の雑誌」を読んでるんですが、最近
たまに「本の雑誌」に投稿しています。昔は葉書に書く形式
だったのですが(切手もついてないやつ)、最近はWEBで
投稿できるので、気軽になりました。
今のところ、毎回掲載されているので、あまり投稿する人が
いないのかしら?
一時「本の雑誌」も廃刊の危機がありましたが、がんばって
刊行続けてほしいものです。

2018年2月 5日 (月)

「ウルトラセブン」の帰還

『「ウルトラセブン」の帰還』
白石雅彦著 双葉社2017/12刊 お勧め度:★★★★★

圧倒的分析力で「そのとき何があったのか」を再構築する
迫真のドキュメント。著者にしか書けない驚異の一冊。
「ウルトラマン」から半年を経た1967年10月1日、
待望の「ウルトラセブン」がテレビに姿を現した。
子供達は大喝采で迎え、金城哲夫をはじめとする
若きスタッフも自信満々であった。
しかし、ある人物が作品の先行きに危惧を抱いていた…。
前作2冊でファンの度肝を抜いた著者が、
ついにシリーズ最高の人気作に挑む第3弾。
豊富な一次資料を駆使し、あくまで同時代の視点で、
制作過程を再構築する。
かくて「ウルトラセブン」は朝焼けの空へ飛び去った……!
(WEBより抜粋して転載)
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「セブン」は大好きでしたが、見てたのは夕方によく
やっていた再放送ですね。
67年だとさすがにリアルタイムでは見てません。
この本によれば、セブンの視聴率は30%台に始まり
10%台にまで落ち込んでいったそうです。
「ウルトラマン」が30%台のお化け番組だったので
続編のセブンへの期待は、局側も視聴者も大きかったのですが
どんどん落ち込んでいくんですね。
今や名作と言われるセブンがなぜ?
視聴率のダウンとともに縮んでいく予算に、着ぐるみや
ミニチュアの製作も苦しくなっていくという負のスパイラル。
当時の円谷プロの焦りが伝わってきます。

セブン研究本というと、各話のストーリーと宇宙人の
紹介みたいな本が多く、写真が多いのですが、
この本は図版なしの、文章びっしり、余白に注がいっぱい、
当時のメモや資料に則った完全なドキュメンタリー。
映像化されなかった草稿のストーリーの紹介もありますし、
著者自身も脚本や監督もされる方なので、ストーリーの
分析なんかも本気です。
字がびっしりでしたが、結構ハマって読みました。
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写真はセブンで最も有名な、メトロン星人とダンが
ボロアパートのちゃぶ台で会話するシーン。
本書によれば、海外輸出のためになるべく日本的なシーンを
作るなと言われてたのに、コレをやっちゃった実相寺監督は
上から怒られたそうですが、いまや伝説になっているから
アリですね。

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