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2018年4月

2018年4月23日 (月)

『本のエンドロール』

本のエンドロール
安藤佑介著 講談社2018/03刊 お勧め度:★★★★★

ネット時代になって、電子書籍の台頭、「紙の本」に関わる
印刷会社は斜陽産業に。
印刷会社の営業マン・浦本は「印刷会社は本を作るメーカー」
という矜持を持っているが、周囲からは出版編集者から出される
無理難題を持って帰ってくる伝書鳩などと揶揄されている。
さまざまな本の企画が持ち上がり、作家、編集者、装丁家などの
本に対する熱いこだわりに、翻弄される浦本だったが・・・。

本作り、特に印刷製本に関わる裏方さんたちを描いたお仕事小説。
また本や印刷業の現状も取り込み、ノンフィクションのような
ムードもあります。表紙が印刷機?を前に何やら紙を広げている
写真が使われていて、ますますノンフィクション本に見えます。

何度も起きる仕様変更のたびに、やれインクが、やれ紙が、と
現場は戦場となってしまうので、読んでいて居たたまれない
ところがありますね。まあ、これは印刷業のみならず
サラリーマンという相手のある商売をしていると、少なからず
似たような修羅場に直面する日々なので、同情してしまいます。
それゆえ、本を大事に読んでやらなんとなあ、と思います。

主人公の奥さんは製菓メーカーで、お菓子のパッケージを
作っていたりするので、この1個180円のお菓子とて、
開発した人、パッケージデザインした人、広告する人など、
さまざまにいるのであろうことよ、としみじみします。
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**********

エンドロールといえば、みなさん映画のエンドロールは最後まで
見るでしょうか?私は見ます。立ち上がると、見ている人の
ジャマになるかも、ということもありますが、ごくまれに、
エンドロール終わってからちょっと映像が流れたりする仕掛けの
ある映画もあるので、ついつい読めないような細かいクレジットを
眺めながら過ごします。

そんな私でも、エンドロールを最後まで見ないときがあります!
そう、おしっこ漏れそうなときです。
映画中のおしっこ問題は、いまだ解決の糸口も見えません。
私は必ず通路脇に座ります。もし途中でもよおしてきた場合は
比較的重要なシーンが終わってひと段落したかに思える
場面転換後に「今だ!」とトイレに走ります。

高齢化社会に向けて、2時間の映画なら1時間に5分、
トイレ休憩を設けていただきたいものです・・・。
その5分は、出演者やスタッフが撮影裏話をするってのなら
待っている人も退屈しません。
スピルバーグさま、一度ご検討いただけないでしょうか。

2018年4月13日 (金)

『そしてミランダを殺す』

そしてミランダを殺す
ピーター・スワンソン著 創元推理文庫2018/02刊 
お勧め度:★★★★★

空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、
見知らぬ美女リリーに出会う。
彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し
「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは
殺されて当然だと断言し、協力を申し出るが・・・。
(Webより転載)

これは事前に書評で絶賛されていたので購入。
本の半分くらいのところで、想像もしない展開になり、
「おっと、そうきましたか!」と孤独のグルメの松重豊ふうに
つぶやきながら読みました。

賞ごとに語り手が変わる構成も面白いし、登場人物のそれぞれが
隠し事をしながら思惑を語るので、誰が誰に嵌められるのか
あるいは出し抜くのか、といったあたりがサスペンスを
盛り上げますね。

外文は読みづらいイメージがありますが、これはスイスイと
読めました。元の文も訳もいいんでしょうね。
0413


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本屋大賞2018、発表になりましたね。
1~3位は、予想通りって感じでした。
かがみの孤城』は辻村深月だし、引きこもりの少女が鏡の
向こうのお城に行く・・・なんてちょっとおじさんには
ハードルが高いですね。

盤上の向日葵』は大傑作で、私もイチオシです。
将棋ブームだし、ドラマ化してもいけそうですよ!

屍人荘の殺人』はミステリとしては力作ですが、
年末のミステリベスト10を総舐めにしたので、
別に本屋大賞で1位にしなくてもいいでしょうね。

むしろ話題は『カラヴァル 深紅色の少女』が翻訳小説部門の
第1位になったことで、今まで1000冊も売れてない本が
選出されたので意義深い、てな話ですね。
前回のように直木賞と本屋大賞W受賞なんかより、
こういう陽の目を見ない本にスポットライトが当たる
というのはいいですよね。吉岡里帆ちゃんも推薦よ!

2018年4月 6日 (金)

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』

60年代のアメリカ。耳は聞こえるが声が出せない中年女性、
イライザは「航空宇宙研究センター」で清掃員をしている。そこに
ある日、アマゾンの奥地にいたという半魚人が運び込まれてくる。
清掃で半魚人のいる部屋に入ったイライザは、半魚人に興味津々。
ゆで卵をあげたり、手話を教えたりして意思疎通ができてくる。
その一方、半魚人の管理を任されている軍人ストリックランドは
攻撃的な半魚人に対し、解剖をしてこの生物の秘密を探ろうと
計画するのだが・・・。

公開してすぐに見ましたが、今になって記事を書きます・・・。
アカデミー賞作品賞、監督賞などをとるだけあって、なかなかに
面白かったです。SFというよりファンタジーなのですが、
ギレルモ・デル・トロ監督なので、暴力描写が痛いです。

いくら60年代と言っても、セキュリティ甘くないですか?
というツッコミどころのある緩さも備えています。
半魚人を宇宙開発だの軍だのが米ソで奪いあう話なのに
清掃員が半魚人のお部屋にホイホイ出入りできたりとかね。

今なら真っ白な壁の研究室みたいな描写なんでしょうが、
この「航空宇宙研究センター」は、じめじめしたコンクリート
むき出しの床や壁だったりして、工事中の地下鉄かなんか
にしか見えません。そんなビジュアルもなかなか楽しいです。

主演のサリー・ホーキンスという女優さん、知らない人ですが
この人が若くもなく、とりたてて美人でないところもいいですね。
口が利けないがゆえに、半魚人と意思疎通ができるという
設定もグッドです。
ということでデル・トロ版『崖の上のポニョ』お楽しみ下さい。

********

寝て起きると朝に腰が痛くてしかたがなかったのですが、
寝るだけ整体』(アスコム)なる本の寝方を試していたら
朝の腰痛がほとんどなくなりました。
枕を使わず、タオルを丸めて使う方法なのですが、
なかなか効果がありそうです。整体というと体操とか、
ストレッチとかいうイメージですが、寝るだけというズボラな
感じが素敵です。
寝る姿勢の矯正で体の歪みを正すという理論のようです。

最初は慣れませんでしたが、だいぶ馴染んできました。
もしこれで全身のこりがなくなってしまったら、私の唯一の趣味の
「もみほぐし」に行けなくなってしまいます。
お気に入りの指名する女性の先生がいたのですがね・・・。
なんか残念なのは我ながら矛盾している気もしますが・・・。

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