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2018年12月

2018年12月 3日 (月)

『このミステリーがすごい2019』予想

毎年出る「このミス」は、ミステリ読みの楽しみのひとつ。
私などは、これに向けて読んでいるところもあり、ベスト10に
入っているのに読み逃していた!と思うとちょっと悔しい
感じがしてしまいます。

けんじさんという方が運営する「このミス」のベスト10を
予想するサイト「朴念仁と居候」というのがありまして、たまに
私も予想を載せたりしています。今年は私もエントリーしました。

さて私の選んだベスト10は以下で、もちろん下馬評から外れては
いますが、一応紹介しておきます。

1位、東野圭吾 / 沈黙のパレード

久々のガリレオ先生シリーズでもあり『容疑者Xの献身』に
近いテイストもあり、安定の面白さに満遍なく票を集めて1位。

2位、原りょう / それまでの明日

14年ぶりの沢崎シリーズの新刊ということで、若い読み手は
誰それ?って感じでしょうけど、注目度は抜群でとりあえず2位。

3位、有栖川有栖 / インド倶楽部の謎

安定の火村シリーズ。3位までシリーズばっか。
でもファンが投票するからね。今回はちょっとスピリチュアルと
いうかオカルトじみたところが事件に加わりつつも、ロジカルに
解決した点が評価されるのでは?
でも、私はそんなに実はアリスは好きでもないんですけどね。
無駄な描写が多いような気がしてちょっと。

4位、芦沢央 / 火のないところに煙は

怖い怖いと評判だった本作。連作短編ですが、作者が登場する
実録小説ふうなところが面白いですね。
実は、普段の芦沢作品のほうが面白いと思うんですけどね。

5位、市川憂人 / グラスバードは還らない

反則技?のミステリながら、アイデアの面白さに1票。

6位、三津田信三 / 犯罪乱歩幻想

本来なら『碆霊の如き祀るもの』とするところですが、どうも私は
「碆霊」がしっくりこず、こっちを選択。
でもたぶん「碆霊」が当選で、こっちは落選でしょうね。
乱歩へのトリビュートということで、ひねくれ者はこっちに1票。

7位、宇佐美まこと / 骨を弔う

小学生の頃、埋めた人体標本は、本物の人骨だったのでは?
ということで過去の足跡を追うミステリ。
宇佐美まことさんは『熟れた月』も面白かったし、もっと
ブレイクして欲しくて1票。名古屋の三省堂さんは仕掛けてましたね。
でもたぶんランク外かな。

8位、下村敦史 / 黙過

本当は『サハラの薔薇』のほうが面白かったのですが、こちらの
方が最近出たのと、ミステリ色が濃いので1票。
10位以内は無理でも20位以内には入るのでは?

9位、白井智之 / 少女を殺す100の方法

読んでませんけど、大学のミステリ研の人とか、こういうの
好きでしょ?エログロとロジカルなミステリが融合した変な
テイストにファンが多いみたいです。

10位、道尾秀介 / スケルトン・キー

道尾秀介さんは文学性が増してきて「このミス」にはマッチしなく
なってきたのですが、これはエンタメ性が強めで面白かったです。
でもこれもランクインは難しそうかなあ。

ほかに読んだものでは『錆びた滑車』(若竹七海著)とかは
毎回ランクインする葉村シリーズなので、ベスト10入りでしょうか。

昨年の『屍人荘の殺人』のように、本命がはっきり分かるような
作品がない年だったと思います。それだけに、普通予想しないような
変な作品が1位になる年もあるので、予断は許せません。
ただ早川書房の「ミステリーが読みたい」の1位が原りょうさんの
『それまでの明日』だったので、このまま順当に1位かも知れません。
真藤順丈さんの『宝島』も評判で、ランクインしそうですが
私はこの作家さんはちょっと苦手で読んでません。

『グラスバードは還らない』

グラスバードは還らない
市川憂人著 東京創元社2018/09刊 お薦め度:★★★★☆

ガラス製造社の研究員セシリアは、新規の事業取引先として、
不動産王ヒューに関わることになる。
ヒューは高層ビル最上階の邸宅にて、秘蔵の鳥「硝子鳥」など
希少動物を多く飼っていると噂されていた。
ある晩、セシリアは同僚たち三人と拉致され、目覚めると
外が見えない特殊なガラス張りの迷宮に閉じ込められたことに気づく。
「お前たちの罪を知っている」というヒューの言葉に怯える中、
突然ガラスが透明になり、研究員の一人が殺されたことが判明する。
傍には、どこからか紛れ込んだ「硝子鳥」が鳴き声を響かせていた……。
隠れる場所がないガラス張りの迷宮で、犯人はどこへ消えたのか? 
(WEBより転載)
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ジェリーフィッシュは凍らない』のマリア&蓮シリーズの第三弾です。
2作目は読んでませんけど。
壁だと思っていた迷路状の密室が、突如ガラス張りになったりする
特殊なガラスでできた部屋で、犯人はどこに消えたのか、それとも
潜んでいるのか、というサスペンスの中で起こる殺人事件。
かなり手の込んだ仕掛けの「館もの」で、エンタテイメントとしては
なかなか面白いですね。

しかしミステリとして評価した場合は、ややアンフェアというか
ノックスの十戒(笑)に抵触しちゃっているというか・・・。
殺される者の人格も異常なら、殺そうとする者の心理も納得しがたい
ものなので、そういう細かいことに拘らなければ、じゅうぶん楽しめる
内容になっています。

第1作に登場したジェリーフィッシュという気球のような飛行船のような
乗り物も今回も使われており、その世界観や、ガラスの密室というような
奇想はほかの著者にはない持ち味なので、今後も期待したい
作家さんではないでしょうか。

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