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2018年12月 3日 (月)

『グラスバードは還らない』

グラスバードは還らない
市川憂人著 東京創元社2018/09刊 お薦め度:★★★★☆

ガラス製造社の研究員セシリアは、新規の事業取引先として、
不動産王ヒューに関わることになる。
ヒューは高層ビル最上階の邸宅にて、秘蔵の鳥「硝子鳥」など
希少動物を多く飼っていると噂されていた。
ある晩、セシリアは同僚たち三人と拉致され、目覚めると
外が見えない特殊なガラス張りの迷宮に閉じ込められたことに気づく。
「お前たちの罪を知っている」というヒューの言葉に怯える中、
突然ガラスが透明になり、研究員の一人が殺されたことが判明する。
傍には、どこからか紛れ込んだ「硝子鳥」が鳴き声を響かせていた……。
隠れる場所がないガラス張りの迷宮で、犯人はどこへ消えたのか? 
(WEBより転載)
1104

ジェリーフィッシュは凍らない』のマリア&蓮シリーズの第三弾です。
2作目は読んでませんけど。
壁だと思っていた迷路状の密室が、突如ガラス張りになったりする
特殊なガラスでできた部屋で、犯人はどこに消えたのか、それとも
潜んでいるのか、というサスペンスの中で起こる殺人事件。
かなり手の込んだ仕掛けの「館もの」で、エンタテイメントとしては
なかなか面白いですね。

しかしミステリとして評価した場合は、ややアンフェアというか
ノックスの十戒(笑)に抵触しちゃっているというか・・・。
殺される者の人格も異常なら、殺そうとする者の心理も納得しがたい
ものなので、そういう細かいことに拘らなければ、じゅうぶん楽しめる
内容になっています。

第1作に登場したジェリーフィッシュという気球のような飛行船のような
乗り物も今回も使われており、その世界観や、ガラスの密室というような
奇想はほかの著者にはない持ち味なので、今後も期待したい
作家さんではないでしょうか。

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