« 2019年3月 | トップページ | 2019年5月 »

2019年4月

2019年4月29日 (月)

『僕たちはもう帰りたい』

僕たちはもう帰りたい
さわぐちけいすけ著 ライツ社刊 お薦め度;★★★★☆

残業を余儀なくされる人や、様々なしがらみで「もう帰りたい」と
思う人々の話です。
それぞれ独立の話ですが、そんな人々が発見したスナック、店名は
「もう帰りたい」に集います。

暗いイヤな話になりそうなところ、このスナックを基点に
話が転がって、救いになるところが、読後感をよくしています。
コミックエッセイのようなライトな絵柄ですが、エッセイではなく
一応ストーリー漫画です。
0429_1

ライツ社という出版社の刊行ですが、なかなか面白そうな本を
出しているところで、コミックはこれが初みたいですね。
ライツ社のHPの「代表挨拶」というページが泣けます。
下はその一部です。
0429

新刊はこんなのがあるみたいです。
0429_2

「高級な けしょう品 一てきずつ」
 意味:いくら高くても少しずつ使ったらいみがない

「手つだいが こうかいに かわる」
 意味:一回手つだったらたくさんやらされる。

なるほどね。この出版社の目のつけどころが面白いですね。

*****

最近、見るだけだったtwitterもツイートを再開しました。
フォロワーが激少ないので、ほぼ反応なしです。
フォローしているのは、出版社とか書店が多いです。
たまに「いいね」がつくとなんか嬉しいものですね。
みんなが「インスタ映え」なるものに、尽力するのも分かります。
かめの写真もたまに載せています。

https://twitter.com/hujitsubo

2019年4月12日 (金)

『映画の字幕ナビ』

映画の字幕ナビ
落合寿和著 スティングレイ2019/02刊

映画の翻訳字幕を作っている人の本です。
この本は七五書店でたまたま見かけて買った本なのですが
出版社はスティングレイ。知らね~。

裏表紙を見ると「取引代行TRANSVIEW」のマークが。
これが噂の(噂になってる?)トランスビューか!
トランスビューは小さい出版社の中継ぎをしている会社で、
書店と直接取引で納品したりしている会社ですね。
聞いたことはあったのですが、初めてそこの扱いの本を手にしました。

スティングレイってどんな本を出しているんだろうとHPを開けたら
『巨大生物の島』『溶解人間』『スペースインベーダー』などの
文字が踊っています。出版社じゃなくてDVDの製作会社みたいです。
しかもB級映画の・・・『映画秘宝』のムックに紹介されている
ようなヤツばっか。嫌いじゃない(笑)。

さて本の中身は、字幕の翻訳の苦労話や、誤訳の問題など、
興味深い話がたくさんあります。特に著者が「脚本訳」と呼んでいる
字幕制作における基本姿勢に、なるほどと思います。
限られた字数の中に、もとの脚本の意図をどれだけ乗せられるか、
そのためにどの言葉を捨て、あるいは拾うか、必要なら意訳する
という細かな作業に取り組んでいらっしゃることに頭が下がります。
実例も細々と載っていて、もっと英語が分かればふむふむ、
となるのかも。
0412 

******

私の好きな映画『マトリックス』で、主人公ネオがスプーンを自在に
曲げたり浮かせたりする少年に会い、どうしてそんなことが出来るのか
尋ねると「スプーンはない」と少年は答えるシーンがあります。
仮想現実の世界で、スプーンが曲がろうがどうしようが、そもそも
スプーンなんて無い、という意味ですね。
その後、ネオが危険なエレベーターシャフトを飛び降りるシーンで
「スプーンはない」と自分に言い聞かせます。

ところがTV放映では、スプーン少年のくだりがカットされていて
「スプーンはない」と言うセリフに意味がなくなりました。
そこでネオがシャフトを飛び降りるときに言ったセリフが
「心を解き放て!」
なるほどね、と思いました。まあ、違和感はないですね。

英会話、できなくてもいいから、字幕なしで映画を観たり、
洋書を読めたりしたらいいのになあ。
首筋のプラグにケーブルを差して、ぎゅるるるとやると、
「英語をマスターしたぞ!」と、マトリックスみたいにならんかしら。

2019年4月 6日 (土)

映画『グリーンブック』

トニーはナイトクラブの用心棒をするような、がさつで暴力的な男。
職がなくなって紹介された口が、天才黒人ピアニストの、
ドクター・シャーリーの運転手。

シャーリーは黒人差別が激しい、アメリカ南部のツアーに行くのに、
用心棒・兼運転手が必要だったのだ。
そのガイドになるのが「グリーンブック」。これは当時、黒人が
旅行するのに、黒人が泊まれる宿などが紹介された本だ。

これを手に南部へと向かう2人あったが、教養もありお金もある
上品なシャーリーと、黒人に差別と偏見をもつ粗暴なトニーは
道中、ぶつかり合うことになる。
しかし黒人が言われも無い差別をたびたび受ける様を見るに付け、
トニーもシャーリーへ歩み寄っていくが・・・。


アカデミー賞の作品賞ほかを獲っただけあって、もちろんいい
出来でした。お涙頂戴の感動押し売りものではありませんが、
それでも私は最後のほうのトニーの奥さんの一言で、
急にちょっと涙が出てしまいました。

当時の黒人差別は、けっこうえげつないもので、ピアニストとして
招かれて、演奏は拍手喝采なのですが、その扱いはトイレから何から
白人とは別、という徹底ぶり。
それをことさら、社会派映画にしないで、ヒューマンドラマとして
まとめたことで、時代の異なる外国にも受け入れやすいストーリーに
なっています。

ユーモアも交えていて、車内でケンタッキー・フライドチキンを
食べるシーンは、声出して笑ってしまいました。

主演:ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ
監督:ピーター・ファレリー

2019年4月 2日 (火)

新井見枝香さんトークショウ

名古屋で新井見枝香さんのトークショウがあったので
行ってきました。トークショウなんて初めてだわあ。
新井さんは三省堂書店の社員さんで、いわゆるカリスマ書店員。
直木賞の受賞作より、自分の気に入った本に「新井賞」を勝手に
授与して、それをなおかつ直木賞より売ってしまうというツワモノ。
エッセイ本も3冊出されています(うち、1冊読みました)。

そのトークイベントはなぜか三省堂書店ではなく、町のちっさい
書店である、七五書店で開催されました。小さい店とはいえ、
各地の本屋を紹介するガイド本なんかにも、たまに登場する有名な店。
かといってセレクトショップみたいなとんがった品揃えで
ガチガチ硬派、人文書ぎっしり、あるいはオシャレな本集めました、
みたいな感じではない、普通な本の中からこれぞ、というのを
ジャンルごとに並べている点がいいのですよ。
雑誌や実用書もあるし、コミックはちょっと個性的な作家も含め
濃い目の品揃えになっています。

大書店だと、広いぶんざっくり「売り場」を見てしまいますが
小さい書店は売り場というより、棚1段1段、本の並び順まで
味わえますね。こういう大書店でもチェーン店でもないお店は貴重。

さて、棚を眺めていると、新井さんが芋洗坂係長ふうのでっかい
おじさんと来店。さっそく新刊棚を眺めておられました。

お客は4:1くらいで女性が多かったように思います。
女性に挟まれて座っていると、なんだか女子会に紛れ込んだおじさん
みたいで、居心地がちょっと・・・。
トークは新井さんを半円形に囲む感じで、私は結構新井さんの
まん前あたりにいたのでカブリツキな感じでした。
黒でまとめた洋服とブーツで、なかなかステキでございました。
 0402 

(画像は七五書店さんのTwitterより。私はちょうど写ってません)

一人で漫談みたいになるのかなと思ったのですが、もう一人、
書店員の女性が話を振りながら、というスタイルでした。
話は本の話、新井賞の話、ストリップ劇場の話、甘いものの話と
縦横無尽な感じでした。
女性だから?私がふだん口数が少ないので、女性が2人いると
話は一瞬も尽きることなく、それも面白おかしく、興味深く
できちゃうのが不思議ですね。きっとエッセイの筆力以外に
トーク力もお持ちなんでしょうね。回し役の女性も上手でした。

トークショウ、おもしろす。また何かあったら行こう。

« 2019年3月 | トップページ | 2019年5月 »

2019年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
フォト

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

2019年注目のミステリ

  • 米澤穂信: Iの悲劇 (★★★★)
  • 相沢沙呼: medium (★★★★★)
  • 貫井徳郎: 罪と祈り (★★★★★)
  • 横山秀夫: ノースライト (★★★★★)
  • 加納朋子: いつかの岸辺に跳ねていく (★★★★★)
  • 道尾秀介: いけない (★★★★★)
  • ジョーダン・ハーパー: 拳銃使いの娘 (★★★★★)
  • 澤村伊智: 予言の島 (★★★★)
  • 伊吹亜門: 傘と刀 (★★★★★)
  • 宮部みゆき: 昨日がなければ明日もない (★★★★★)
  • 今村昌弘: 魔眼の匣の殺人 (★★★★★)