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2019年7月

2019年7月13日 (土)

線は、僕を描く

線は、僕を描く
砥上裕將著 講談社2019/06刊 お薦め度:★★★★★

両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は
アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。
なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。
それに反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけて
霜介と勝負すると宣言する。
水墨画とは、筆先から生みだされる「線」の芸術。
描くのは「命」。
はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は
線を描くことで次第に恢復していく。(Webより転載)
0713

メフィスト賞受賞作。メフィスト賞って、バカミスに贈られる
賞っていうイメージでしょうか?(笑)
とにかく他の公募にはない、奇想天外な作品が選ばれると
思っていましたが、こちらは密室トリックもなければ、
変なキャラの探偵も登場しない、青春小説というか成長小説。
賞の応募要項には、実はエンタメとしか書いてないんですね。

たぶん大半の人に縁のない、水墨画の世界を題材にしているので
それだけでも興味深く読めます。
ストーリーだけ語れば、両親を失って抜け殻だった大学生が
水墨画とその作家先生たちから、いろいろ学んでブレイクスルー
していくような、わりと地味な話です。
大先生の孫娘との勝負といっても、マンガチックな「対決」と
いうわけでもありません。
マンガチックといえば、同時に原作付コミックとしても連載が
始まっているとか。
とにかく講談社が激推ししている感じが伝わります。
苦手なラノベ臭もしないので、読みやすかったです。

**********

水墨画なんて、なんか観光先の美術館だか資料館だかに入ったら
なんか軸にかかっている山水画みたいなのがぶら下がっていて
ふ~んといいながら、前を通り過ぎる・・・アレです!
まず興味ねえっすよね、普通!

今回、この本を読んでYouTubeとかで描いている動画を見てみると
お手本もモデルもないまま、スパッスパッっと描いていくんですね。

私の見たのは竹を描くやつでしたが、いきなり竹の幹の部分を
ズバっと描いて、節をクイッて入れて、葉っぱをサッサッ、
ちょっと向こう側の葉っぱは薄い墨でフワッフワッ、
枝をチョイチョイ・・・なんか擬音のオンパレードになりました。
全体像が頭にないとできない芸当ですね。

高校のときに、美術部で油絵を描いていました。
油絵は塗り重ねの世界なので、一発描きの水墨画の世界に驚きました。

老後に油絵はまた始めようかなあとか、ぼんやり思っています。
老後・・・年金あるかな。あとそれから、2000万円ね。

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