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2020年2月

2020年2月22日 (土)

シャーロック・ホームズ語辞典

シャーロック・ホームズ語辞典
北原尚彦・文/えのころ工房・絵 誠文堂新光社2019/12刊

ホームズにまつわる言葉をイラストと豆知識でパイプ片手に読み解く
・・・という副題がついています。
0221

表紙にパイプが3本描かれていますね。
ホームズをはじめとする「名探偵」のアイコンであるパイプは
柄が曲がったパイプで表現されがちですが、実際ホームズの時代の
パイプは曲がったものがなかったらしく、まっすぐが正解だそうです。
なので、表紙のシルエットもまっすぐなパイプを持っています。

同様に、ホームズが着ているあのチェック模様のインヴァネス
そんなの着ているという描写は本文(シャーロキアンは「正典」と
呼ぶそうですが)にはないそうです。
挿絵とかのヴィジュアルの影響で定着したようですね。
「旅行用なので、都会のロンドンで着ているのはヘンである」と、
この本にも書かれています。なので、本書のイラストでは
ホームズはインヴァネスを着用していません。

そんなこんなの小ネタも含む面白情報満載の本です。
文はホームズ研究の第一人者・北原尚彦さん。
項目は正典=ドイル作ののオリジナル以外にも、パスティーシュ、
映画、アニメ、俳優・声優にも及んでいます。
オールカラーで写真は書影のみ。あとはえのころ工房さんの
イラストになっています。写真だと権利関係とかいろいろ
あるんでしょうね。変に不鮮明な白黒写真を載せられるより、
カラーイラストで楽しく表現したのは正解ですね。
作品の登場人物もイラストになっていて、読みながらイメージ
しやすいです。

ホームズとワトソンがいたベーカー街221Bの部屋も俯瞰で
イラストになっています。これはなかなか力作ですね。
ドイルが生きていたら見せてやりたい。
妖精さんに天国までこの本を運んでもらおうかしら。

この番地221Bにちなんで、2月21日はホームズの日だそうです。
ちなみに「2月21日は何の日」でググっても、ホームズの日とは
出てきません。そんな有名じゃないのね~。

池田邦彦さんのコミック『シャロッキアン!』も再開して欲しいね
(と、この本にも書かれていました)。あれはドラマ化して欲しい。
ただ私は特にシャーロキアンではございません。念のため。

『ナイブズ・アウト~名探偵と刃の館の秘密』

作家で出版社の創業者の誕生日パーティーが郊外の館で催される。
翌朝、老作家は首を掻き切られた姿で発見される。
自殺か他殺か。他殺とすれば、パーティーに参加した一族の者と
家政婦と看護師の中に犯人が?

警察は自殺と見ていたが、なぜか名探偵と名高いブノワ・ブラン
(ダニエル・クレイグ)が捜査に参加していた。
探偵はある人物から事件の調査を依頼されていたのだった。
彼はワトソン役となった看護師のマルタ(アナ・デ・アルマス)と
ともに事件を調べ始めるのだが・・・。

日本語タイトルが子供向けのファンタジー映画みたいですが
ど直球の本格ミステリー映画です。
映画でミステリーというと、サイコ・サスペンスとか、
バディもののアクションっぽい作品が多いですが、これはもう
アガサ・クリスティー的なものを意図して作られているので、
スマホやPCも出てくるものの、なんか20世紀感が強いです。
だいたい「名探偵」なんてね・・・。

序盤に、関係者の聞き取りがあって、一族のメンバーが紹介され
そのとき何があったか、自分と被害者の関係などが語られるのですが
ここがちょっと退屈というか。そもそも外人の顔と名前を
覚えるのが大変なので「あ~この映画、つまんないかも・・・」
と思い始めました。ですが結構早い段階で、事件がどうやって
起きたのかが明かされてしまいます。
そこから話が俄然面白くなるので、序盤はちょっと辛抱しましょう。
ヒロインの女の子のキャラクターにちょっと面白い設定があって、
その設定がストーリーにうまく活かされています。

監督は「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン。
探偵役はジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグ。
ヒロインはアナ・デ・アルマス。『ブレードランナー2049』で2.5次元の
AIヒロインを演じました。チャイナドレス姿が超可愛いかった~。

2020年2月 5日 (水)

『ゼロ時間へ』感想

ゼロ時間へ
アガサ・クリスティー著 早川文庫 お薦め度:★★★★★

ある男が自殺を試みるが、失敗してしまう。
病室で彼はもう一度自殺をすると宣言するが、看護婦は答える。
「あなたはもう自殺なんかしない。あなたはある時、ある場所に
いるだけでいい・・・」

なぞの予言で始まる物語は、殺人が起こる決定的時間「ゼロ時間」
へ向けてそろそろと動き出す。

金持ちの老婦人の邸宅に集まった人々。
その中にはスポーツ選手として有名なネヴィル、その現在の妻で
美人のケイ、離婚したその前の妻で地味なオードリー、そのケイや
オードリーを慕う男たち・・・。
やがて起きる殺人事件を捜査するのはクリスティー作品では
イマイチ有名ではないバトル警部だった。
0205

・・・・ということで小遣いが乏しくなると、ハードカバーでは
なくて、文庫を買うと(笑)。

クリスティー文庫は、最近『ナイルに死す』とか『カーテン』、
ABC殺人事件』なんかを読んで「やっぱり面白いね!」と
思う今日この頃。事件だけじゃなく、ドラマ部分も読ませるので
映像化しても面白いんでしょうね。

この『ゼロ時間へ』は、地味であまり有名な作品ではないですが
事件そのものも面白いし、伏線を回収しながら解決へ向けて
収斂していくところは、まさにミステリの醍醐味を味わえます。
ファン投票、著者自選でもベスト10に入る作品だそうです。
次は何を読もうかな!

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