書籍・雑誌

2018年7月 7日 (土)

『真実の檻』

真実の檻
下村敦史著 角川文庫2018/05刊 お薦め度:★★★★★

母の遺品整理の最中に、父親が実の父ではないと知って
しまった大学生の洋平。育ての父が「調べるな」という警告を
聞かず、実の父を調べてしまった洋平は、父が殺人犯であり
死刑囚として収監されていることを知る。
自分がもし殺人犯の息子と世間に知れてしまったら・・・。
彼は父が冤罪であると信じ、冤罪の記事を書いている記者の
涼子にコンタクトをとり、事件を調べ始めるが・・・。

最近、よく読んでいる下村敦史作品。表紙カバーが法廷の絵
ですが、法廷モノではありません。
冤罪を調べる学生の主人公が記者や弁護士と出会い、
痴漢の冤罪事件や、砒素による無差別殺人など、疑惑の事件に
関わっていくごとに、司法の抱える闇について知っていく、
という構成になっています。
そしていよいよ、父の事件に迫っていくのですが、果たして
本当に父が犯人なのか、実は冤罪で真犯人がいるのか・・・
というところがクライマックスですね。
面白かったです。

私が買った文庫本の帯のバージョンは、あれはいかんですね。
完全なネタバレです。そのネタバレ・コピーの下に
「解説・小橋めぐみ」とあって、まるで小橋めぐみさんが
ネタバレコメントをしているかのようになってていけませんな。
(解説ではネタバレ的なことは一切書かれていません)。
著者Twitterを読むと、注目されるために「攻めた帯」だそうですが
本の面白さには影響が少ないとはいえ、ちょっとねえ。
その後、本屋で見かけたら帯が差し変わっていました。

小橋めぐみさんは、読書家女優として知られていますが
YOUTUBEで「本のめぐみ」という番組をされています。
選書がちょっと硬いのですが(さすが青山ブックセンター
選書の硬さにまさるとも劣らない、ぎこちない司会がたまりません。
まあ、何より目がおっきくてキレイな人だなあ。
女優さんとしてもっとブレイクして欲しいですね。
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2018年6月24日 (日)

『出会い系サイトで70人と実際に会って~』

出会い系サイトで70人と実際に会って
その人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

花田菜々子著 河出書房新社2018/04刊 お勧め度:★★★★★

ヴィレッジ・ヴァンガードの元店長の著作。
ヴィレヴァンに憧れ入社したものの、その後のチェーン拡大で
本の扱いも減り、雑貨も尖ったものから売れ筋のキャラもの重視で
仕事が苦痛になっていく。夫とも別居してしまう。
そんな中知ったのが出会い系サイト。そこで会った人に、その人の
個性にあった本を薦める「武者修行」を始めるのだった・・・。
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ここで言う出会い系サイトは、ナンパ目的の人も明らかに
いるのですが、単純に会って30分間話をするというのを媒介する
のが本来目的のサイトだそうです。
とは言え、出会い系は出会い系なので、最初の二人はソレ目的で
ことあらばソッチ方向に行こうという感じでした。

その後70人もの人(女性も含む)に会っていくわけですが
単に怖いもの見たさでチャレンジする企画本とはちょっと違います。
今の仕事に不満があり、転職を考えつつもどうすればいいか
自分で自分が分からないとか、壊れてしまった夫婦関係、と言った
不安の中で、何かきっかけのようなものをつかもうとして、
いろんな人と出会い、その人を知り、本を薦めるという
著者の言う「武者修行」であるところに面白さがあります。
と言って、内省的な暗い文章ではなく、むしろちょっと笑える
くらいのテイストで、面白く読めます。
ここ最近読んだ本のなかでは最も印象に残った1冊でした。
お勧めです。

2018年5月28日 (月)

『生還者』下村ミステリーはハズレなし

生還者
下村敦史著 講談社文庫2017/07刊 お勧め度:★★★★★

世界第3位の標高を誇るカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、
日本人登山者7名が巻き込まれる惨事となった。
登山をやめたはずの兄が、なぜかその雪崩に巻き込まれ命を落とした。
増田直志は、兄のザイルが切断されていたことに気付く。
兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのか――?

雪崩事故から高瀬という男性が奇跡の生還を果たす。
単独行だった高瀬は、猛吹雪のなか兄たち登山隊に出会い助けを
求めたが冷たくあしらわれ、登山隊の加賀谷だけが残って自分を
助けてくれたという。
行方不明の加賀谷が英雄としてマスコミを賑わせる中、
今度は東という男が救助された。東は高瀬が嘘をついていて、
加賀谷こそが卑怯者だと証言するのだった。

二人の生還者はどちらが真実を語っているのか?
兄の死の真相を突き止めるため、増田は女性記者の八木澤とともに
高峰に隠された謎に挑む! (WEBより転載)

山岳ミステリー。山は低山でも登ったことありませーん。
大迫力の登山シーンなど『サハラの薔薇』でも見せた描写力で
ぐいぐい読ませます。
『生還者』というのは、もうこれ以外にないというタイトルで
サバイバーズ・ギルトというらしいんですが、事故や災害で
生き残った人が「なぜ自分だけが」という罪悪感に苛まれる
状態を言うそうです。
この物語に登場する人物たちが、その罪悪感に苦しみながら
生きている様と、過酷な大自然と戦いながら頂上を目指す様と
オーバーラップしてくるんですね。
読みごたえ充分、お勧めです。
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*******

例のアメフトの危険タックルの問題が尾を引いていますが
あの話題は、この本のことを思い出させます。
関係する選手だったり、監督・コーチだったりが記者会見で
異なる意見を言い、どっちが本当なのか?という点で似ています。
私も最初、あの映像を見たときは
「血の気の多い選手が突進していったんだな」と思ったのですが
実際その裏にはいろんな事情が隠れていたわけです。
まあ、たいていのことはウラがあるわけですが、ついつい
表面的なところまで見て、思い込みもあったりして、
人は好き勝手にあれこれ言うわけですよね。

2018年5月21日 (月)

『完パケ!』『拝啓、本が売れません』

完パケ!』
額賀澪著 講談社2018/02刊 お勧め度★★★★★

経営難で閉校が噂される武蔵映像大学。
卒業制作の映画を撮れる1人を決めるコンペで、監督志望の
安原と北川のプレゼンの結果、どちらかが選ばれる。
1人は監督に、敗れた一人はプロデューサーとなり、撮影が
始まるものの、その勝者にも敗者にも、さまざまな思いが
渦巻いていた・・・。

この作家さんは未知だったのですが、その前に
拝啓、本が売れません』(KKベストセラーズ刊)を読み
面白そうな作家さんだと思い、最新刊のこちらを購入。
「青春小説ねえ・・・ラノベチックなのかしら?」と思いつつ、
読み始めましたがこれはいわゆるラノベではなく、
まごうことなき文芸作品。

監督も熱いヤツなのですが、その彼がオーディションで選んだ
主演俳優も、かなりの厄介者。主演女優は明らかに素人。
コンペに負けてプロデューサーになった方は、嫉妬心に
苛まれるし、そんな中で進む撮影がホイホイ進むわけも
ありません。
まあ、そんな困難を乗り越えて完パケを迎える作品の運命は?
という感じですね。なかなか面白かったです。
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拝啓、本が売れません』のほうは、出版不況でなかなか本が
売れない現実に立ち向かうべく、本作りと販売に関わる人たちに
インタビューに行く、という企画本。
こういう内幕ものが好き。漫画で言えば『バクマン』とか。
この本のインタビューでも、さわや書店の松本店長が登場します。
ので、さわや書店にもこの本がたくさんありました。

『拝啓~』はKKベストセラーズという出版社から出ていますが、
社長が突然交代したり、出版をやめちゃうんじゃないかという
噂もあったようです。しかし、KKベストセラーズが
最近出している本はなかなか面白そうなのが多いんですよね。
たぶん編集さんが頑張っているんだなあ、と好感を持っています。
がんばれKKベストセラーズ!
昔、タモリのオールナイトニッポンで、放送の最初のほうに
番組の提供会社を紹介するときに、タモリさんが勝手に
社名の前にキャッチコピーをつけるのですが、

股間の恋人・BVDフジボウ

とかいう中で

すべてがベストセラーというわけではないKKベストセラーズ

というのを覚えています。
今日はこのへんで。

2018年4月23日 (月)

『本のエンドロール』

本のエンドロール
安藤佑介著 講談社2018/03刊 お勧め度:★★★★★

ネット時代になって、電子書籍の台頭、「紙の本」に関わる
印刷会社は斜陽産業に。
印刷会社の営業マン・浦本は「印刷会社は本を作るメーカー」
という矜持を持っているが、周囲からは出版編集者から出される
無理難題を持って帰ってくる伝書鳩などと揶揄されている。
さまざまな本の企画が持ち上がり、作家、編集者、装丁家などの
本に対する熱いこだわりに、翻弄される浦本だったが・・・。

本作り、特に印刷製本に関わる裏方さんたちを描いたお仕事小説。
また本や印刷業の現状も取り込み、ノンフィクションのような
ムードもあります。表紙が印刷機?を前に何やら紙を広げている
写真が使われていて、ますますノンフィクション本に見えます。

何度も起きる仕様変更のたびに、やれインクが、やれ紙が、と
現場は戦場となってしまうので、読んでいて居たたまれない
ところがありますね。まあ、これは印刷業のみならず
サラリーマンという相手のある商売をしていると、少なからず
似たような修羅場に直面する日々なので、同情してしまいます。
それゆえ、本を大事に読んでやらなんとなあ、と思います。

主人公の奥さんは製菓メーカーで、お菓子のパッケージを
作っていたりするので、この1個180円のお菓子とて、
開発した人、パッケージデザインした人、広告する人など、
さまざまにいるのであろうことよ、としみじみします。
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**********

エンドロールといえば、みなさん映画のエンドロールは最後まで
見るでしょうか?私は見ます。立ち上がると、見ている人の
ジャマになるかも、ということもありますが、ごくまれに、
エンドロール終わってからちょっと映像が流れたりする仕掛けの
ある映画もあるので、ついつい読めないような細かいクレジットを
眺めながら過ごします。

そんな私でも、エンドロールを最後まで見ないときがあります!
そう、おしっこ漏れそうなときです。
映画中のおしっこ問題は、いまだ解決の糸口も見えません。
私は必ず通路脇に座ります。もし途中でもよおしてきた場合は
比較的重要なシーンが終わってひと段落したかに思える
場面転換後に「今だ!」とトイレに走ります。

高齢化社会に向けて、2時間の映画なら1時間に5分、
トイレ休憩を設けていただきたいものです・・・。
その5分は、出演者やスタッフが撮影裏話をするってのなら
待っている人も退屈しません。
スピルバーグさま、一度ご検討いただけないでしょうか。

2018年4月13日 (金)

『そしてミランダを殺す』

そしてミランダを殺す
ピーター・スワンソン著 創元推理文庫2018/02刊 
お勧め度:★★★★★

空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、
見知らぬ美女リリーに出会う。
彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し
「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは
殺されて当然だと断言し、協力を申し出るが・・・。
(Webより転載)

これは事前に書評で絶賛されていたので購入。
本の半分くらいのところで、想像もしない展開になり、
「おっと、そうきましたか!」と孤独のグルメの松重豊ふうに
つぶやきながら読みました。

賞ごとに語り手が変わる構成も面白いし、登場人物のそれぞれが
隠し事をしながら思惑を語るので、誰が誰に嵌められるのか
あるいは出し抜くのか、といったあたりがサスペンスを
盛り上げますね。

外文は読みづらいイメージがありますが、これはスイスイと
読めました。元の文も訳もいいんでしょうね。
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***********

本屋大賞2018、発表になりましたね。
1~3位は、予想通りって感じでした。
かがみの孤城』は辻村深月だし、引きこもりの少女が鏡の
向こうのお城に行く・・・なんてちょっとおじさんには
ハードルが高いですね。

盤上の向日葵』は大傑作で、私もイチオシです。
将棋ブームだし、ドラマ化してもいけそうですよ!

屍人荘の殺人』はミステリとしては力作ですが、
年末のミステリベスト10を総舐めにしたので、
別に本屋大賞で1位にしなくてもいいでしょうね。

むしろ話題は『カラヴァル 深紅色の少女』が翻訳小説部門の
第1位になったことで、今まで1000冊も売れてない本が
選出されたので意義深い、てな話ですね。
前回のように直木賞と本屋大賞W受賞なんかより、
こういう陽の目を見ない本にスポットライトが当たる
というのはいいですよね。吉岡里帆ちゃんも推薦よ!

2018年3月30日 (金)

『熟れた月』案外いい読後感

熟れた月
宇佐美まこと著 光文社2018/02刊 お勧め度:★★★★★

高校生の結は、憧れの先輩の母親がときどき自分がバイトしている
ファミレスに来ていることに気づく。結は彼女から
「ウーピーパーピーの木の下に埋めた」という謎の言葉を託される。
これを息子に伝えて欲しいと。
結は勇気を出して先輩に伝えようとするが、先輩の母親は
ある殺人事件の犯人なのだった・・・。

という話の出だしですが、そこは導入部分にすぎなくて、
後は闇金を経営する末期がんの女と、そこで働く取立て屋の男を
中心に話が進んでいきます。

殺人事件が冒頭で起きますが、犯人が誰かとかいうミステリー
ではなく、ちょっとファンタジックな要素も入った内容に
なっています。闇金がらみの話なので、ダークな部分も多いですが
前に読んだ同じ著者の『愚者の毒』よりは読みやすく、
しかも読後感がすごくいいので、お勧めです。
映像化してもいけそうな感じです。NHKで4回連続で(笑)
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**********

白浜(和歌山)で両親と落ち合って、白浜温泉で一泊しました。
あいにくの雨で風も強くて「三段壁」(崖の名所)では
傘が飛ばされそうでした。そこには洞窟もあって、エレベーターで
洞窟まで下りていくことができます。乗るのに1300円します。
日本一高額なエレベーター(笑)。でも洞窟内はなかなかの迫力で
海水がすごい勢いで激流のように洞窟内を流れていくのを見るのは
結構楽しかったです。
なぜかエレベーター前に「ウミウシおさわりコーナー」があり、
背の低い水槽に、ウミウシだかアメフラシだかがたくさんいて、
触るとプニプニしてキモかわいかったです(笑)。
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三段壁洞窟


温泉宿で一泊して翌日は「アドベンチャーワールド」という
サファリパークでパンダを見る予定でしたが、2日続きの雨で
急遽、足を伸ばして爺さんと伯父さんの墓参りへ。
墓参りの瞬間は雨が止んでいたので、なんとかお参り終了。
パンダと墓参りでは、イベントとしてはエンタメ性にだいぶ開きが
ありますが。両親を実家まで車で送ってから帰りました。

2018年3月15日 (木)

『海妖丸事件』意外に本格

海妖丸事件
岡田秀文著 光文社文庫2018/02刊 お勧め度:★★★★☆

杉山潤之助の上海出張に、旧知の探偵・月輪龍太郎が同道する
ことになった。
彼らの乗る豪華客船・海妖丸が出発する直前の横浜港で、
船客の政商らに宛てて奇妙な予告状が届く。
絢爛な船旅の途上、仮面舞踏会や沙翁劇の最中に起こる殺人。
本格ミステリの醍醐味を堪能できる、傑作推理小説。
(Webより転載)

昨年評判の良かった『帝都大捜査網』が面白かったので
文庫で出たばかりのこちらを購入。
月輪龍太郎(がちりん、と読む)はシリーズになっているようで
これは第3弾。時代設定が現代ではないので、なんだか
ルパンとか怪人二十面相が出てきそうなレトロ感がいいです。
犯行予告が来ているのに、顔が分からなくなる仮面舞踏会を
しなくてもね。まあ、そこがいいんですよ(笑)。
POPな乗りの割には、トリックなんかもしっかりしていて
ちゃんと本格ミステリを味わえて面白かったです。
0315


*******

最近は科学捜査が主流で、スマホや防犯カメラなどの発達で
ミステリも書くのが大変ですよね。
携帯電話のせいで「すれ違いメロドラマ」が作れなくなった、
なんて話も聞きます。
その点、時代がかったミステリは時代考証の大変さはあるでしょうが
ストレートに推理が楽しめるのでいいですね。

逆に科学捜査や法医学をテーマにしたドラマもできるわけで
今だと「アンナチュラル」なんかが面白いです。
シン・ゴジラ」の石原さとみは、どついてやりたくなりますが
このドラマの石原さとみは可愛いです(個人の感想です)。
そういえば市川日実子もシン・ゴジラに出てましたね。
終始怖い顔で早口でなんか喋ってたなあ。
総理役だった大杉漣さん、亡くなったなあ・・・・・・
「バイプレイヤーズ」観てたのに・・・。

2018年2月24日 (土)

『騙し絵の牙』

騙し絵の牙
塩田武士著 KADOKAWA2017/08刊 お勧め度:★★★★★

主人公は出版大手の薫風社で、カルチャー誌「トリニティ」の
編集長を務める速水輝也。
40代半ばの彼は、同期いわく「天性の人たらし」だ。
周囲の緊張をほぐす笑顔とユーモア、コミュニケーション能力の
持ち主。部下からの信頼も厚いが、苦手な上司・相沢から
廃刊の可能性を突きつけられ、黒字化のための新企画を探る。
芸能人の作家デビュー、大物作家の大型連載、映像化、
企業タイアップ……(以上WEBより転載)

というお仕事小説の顔を持つ本書は、出版業界の現状を
反映させた内容で、その厳しい現状の中を戦い、泳ぐ主人公の
生き様を描いています。
それが何で『騙し絵の牙』というタイトルなのか、というのは
エピローグまで分かりません。
表紙が大泉洋さんなのは、主人公のイメージを当て書きしたもので
そこもちょっとした新しい仕掛けですね。

この本、会話の応酬がすごい楽しいです。
こんなふうに喋れたらいいなあと思いますね。モテそう。
0224

********

最近は出版業界も大変で、新潮社の『ルビンの壺が割れた
とかは、全文ネットで公開して読者に宣伝してもらうという
仕掛けで大ヒットしましたね。
私も読みましたが、感想は言いません・・・。

まあ、仕掛けだろうが何だろうが、本は売れて欲しいですね。
アメトーークとかで盛り上げてくれるのは結構なことです。

私は学生の頃から「本の雑誌」を読んでるんですが、最近
たまに「本の雑誌」に投稿しています。昔は葉書に書く形式
だったのですが(切手もついてないやつ)、最近はWEBで
投稿できるので、気軽になりました。
今のところ、毎回掲載されているので、あまり投稿する人が
いないのかしら?
一時「本の雑誌」も廃刊の危機がありましたが、がんばって
刊行続けてほしいものです。

2018年2月 5日 (月)

「ウルトラセブン」の帰還

『「ウルトラセブン」の帰還』
白石雅彦著 双葉社2017/12刊 お勧め度:★★★★★

圧倒的分析力で「そのとき何があったのか」を再構築する
迫真のドキュメント。著者にしか書けない驚異の一冊。
「ウルトラマン」から半年を経た1967年10月1日、
待望の「ウルトラセブン」がテレビに姿を現した。
子供達は大喝采で迎え、金城哲夫をはじめとする
若きスタッフも自信満々であった。
しかし、ある人物が作品の先行きに危惧を抱いていた…。
前作2冊でファンの度肝を抜いた著者が、
ついにシリーズ最高の人気作に挑む第3弾。
豊富な一次資料を駆使し、あくまで同時代の視点で、
制作過程を再構築する。
かくて「ウルトラセブン」は朝焼けの空へ飛び去った……!
(WEBより抜粋して転載)
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「セブン」は大好きでしたが、見てたのは夕方によく
やっていた再放送ですね。
67年だとさすがにリアルタイムでは見てません。
この本によれば、セブンの視聴率は30%台に始まり
10%台にまで落ち込んでいったそうです。
「ウルトラマン」が30%台のお化け番組だったので
続編のセブンへの期待は、局側も視聴者も大きかったのですが
どんどん落ち込んでいくんですね。
今や名作と言われるセブンがなぜ?
視聴率のダウンとともに縮んでいく予算に、着ぐるみや
ミニチュアの製作も苦しくなっていくという負のスパイラル。
当時の円谷プロの焦りが伝わってきます。

セブン研究本というと、各話のストーリーと宇宙人の
紹介みたいな本が多く、写真が多いのですが、
この本は図版なしの、文章びっしり、余白に注がいっぱい、
当時のメモや資料に則った完全なドキュメンタリー。
映像化されなかった草稿のストーリーの紹介もありますし、
著者自身も脚本や監督もされる方なので、ストーリーの
分析なんかも本気です。
字がびっしりでしたが、結構ハマって読みました。
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写真はセブンで最も有名な、メトロン星人とダンが
ボロアパートのちゃぶ台で会話するシーン。
本書によれば、海外輸出のためになるべく日本的なシーンを
作るなと言われてたのに、コレをやっちゃった実相寺監督は
上から怒られたそうですが、いまや伝説になっているから
アリですね。

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今年の注目ミステリ(2017/11~)

  • 宇佐美まこと: 熟れた月 (★★★★★)
  • 下村敦史: サハラの薔薇 (★★★★★)
  • 倉知淳: 皇帝と拳銃と (★★★★)

今年の注目ミステリ海外編(2017/11~)

  • そしてミランダを殺す (★★★★★)
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